〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜RUN〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
――――――――カランカラン・・・・・バーの扉が静かに鐘の音を立てて開き、そして一人の男が入ってきた
男「お、いたいた・・・・・こんばんはハーレムの魔王様」
祐一「うるせぇ、北川!んじゃ、お前は何か?ハーレムから一人の姫様を救出した勇者様ってか?
北川「お、いいねぇそれ!」
祐一「言ってろ!」
北川「はいはい・・・・あ、マスター、俺もこいつと同じもの頼む」
―――トンッ・・・・俺と同じもの、ウイスキーのグラスが置かれる
北川「それにしても、久しぶりだなぁ魔王様」
祐一「それはもういい!お前こそ相変わらず香里の尻に敷かれてるんじゃねぇのか?」
北川「言うな・・・悲しくなるだけだから・・・・」
――――カラン・・・氷の音――――二人同時にウイスキーをあおる・・・
北川「んじゃ、そろそろ本題に入ろうか?冗談を言うために俺を呼んだんじゃないんだろ?」
祐一「ああ・・・最初に言っとくが、こっちは真剣な相談だからな・・・・」
北川「ん?・・・ああ、分かった」
祐一「じゃあ、言うぞ・・・相談したい事と言うのは・・・誰を選ぶかについてだ・・・」
北川「マスターおかわり〜」
ビシッ!
北川「痛てっ!何しやがる!」
祐一「お前が速攻で茶化すからだ!こっちは真剣なんだからな!」
北川「なんだよ、ノロケ話じゃねぇか・・・やってらんねぇなぁ〜」
祐一「そう言わずに聞け・・・・奢ってやるから・・・」
北川「おお、太っ腹!よし、聞いてやるぞ!」
祐一「さっきの続きだ・・・そろそろ皆も答えが欲しいと思っている頃だと思う。でも、俺は誰か一人を選ぶなんてできない・・・もし、選んでしまうと皆との関係が壊れてしまいそうで怖いんだ・・・。贅沢だの我侭だの言われようが構わない!俺は皆と居たいんだ!でも、俺は思うんだ・・・もう、この関係は限界で俺の独り善がりで皆を不幸にしてしまうんじゃないかって・・・」
――――――シュボッ・・・北川がタバコに火をつけ、紫煙を吐き出しながら答える
北川「お前、皆が本当にそう思ってると思ってんのか?それこそお前の独り善がりも良いとこだ・・・思い出してみろ、俺達で仲良くやってた頃を・・・そら、お前を争ってのケンカもあったかもしれない、しかしなぁ、あいつ等が本気でやりあってた所を見たことあるか?無いだろう?何も無い絶望の淵みたいなところから頼りなく始まって、数え切れない喜怒哀楽を共にしてきたお前等だろう?お前等の関係は血よりも濃い絆のはずだろう?これしきの事で壊れることないだろう?そうだろ、相沢?」
祐一「北川・・・そう・・・か・・・そうだよな・・・・俺の独り善がりだったのかもな・・・よし、皆には分かってもらえるように話してみる・・・・それでもダメなら一生かかってでも分からせてみせる!」
北川「OK!そうだ!皆がどうすれば一番幸せになれるかお前なら考えられるはずだ・・・・いや、しあわせにできるはずだ!それでも迷うなら何時でも俺が相談にのってやるからな!幸せに生きたいと思うならお前はひとりじゃない、いつでも分かり合ってくれる奴らが側にいるだろう?分かったんなら行け!お前を待っている奴らの所へ!」
祐一「ああ、やってみる!約束する、俺はもう迷わない!」
北川「俺達に約束はいらないだろう?いつも一緒に走ってきたんだからな、分かってるだろ?さぁ、行け相沢もう迷うなよ!」
――――――トンッ・・・北川が俺の背中を押し出してくれる、迷いを断ち切るために走り出す一歩を踏み出させるために・・・・
祐一「ありがとな、北川!おかげで吹っ切れたぜ!」
北川「おう、行って来い!」
―――――――ガランガラン・・・ドアが乱暴に開いて、相沢が飛び出していく・・・
北川「さて、俺もそろそろ帰りますか・・・ってあの野郎奢ってくれるんじゃなかったか?まぁ、いいか・・・・マスターお勘定お願い・・・・・え?いい?くさい面白い話聞かせてくれたから?それは無いよマスター〜俺はアレでも真剣だったんだからな〜・・・まあ奢ってくれるんなら文句は無しだけど・・・」
―――――――カランカラン・・・・バーの扉が閉まり看板の明かりが消える
北川「げ、もうこんな時間かよ・・・お姫様はさぞお怒りなんだろうなぁ・・・」
そう言って走り出した男の表情には心なしか満足げな表情をしている。
―――――男には分かっているのだろう次にあいつと会うときにどんな表情で会えるのかを・・・
END
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あとがき
どうも初めまして、風の旅人です。
今回、neko様のHPに載せていただくと言うことで書かせていただきました。しかも、なんと!これが初公開作品となってしまったではありませんか!私的には大変有り難い次第です。駄文ではありますが読んでいただいたみなさまには大変ご感謝させていただきます。内容については、B'zのRUNを聴いて思い浮かんだ事を書きました。無理に歌詞に近づけようとして滅茶苦茶な文になってしまいましたが、ご愛嬌ということでお願いします(汗
また、感想・苦情等ありましたら風の旅人までお願いします。
tyabudaigaeshi@hotmail.com